肌の悩みはレーザー治療をすべきか?注射治療をすべきか?
シワやたるみなど、肌のお悩みの改善には、大きく分けて「注射」と「レーザー」があります。
どちらがおすすめとは一概に言えませんが、個人的にはレーザー治療を推奨しています。
今回は、レーザー治療を推奨している理由についてお伝えします。
レーザー治療と注射の歴史の違い
過去のブログでもお話していますが、私はレーザー治療の機器選びにおいても、これまでの実績を重視しています。
レーザーは熱作用によって皮膚の特定の層に刺激を与え、メラニンを砕く・コラーゲンを作るように働きかける・細胞のターンオーバーを促進するなどの効果を与える治療法として20年以上の実績があり、その安全性と効果は十分に確認されています。
たとえば、フラクショナルレーザーによるシワ改善などは、長期的な治療効果が実証されているのが大きな特徴です。
また、患者様の肌の状態に関わらず、ある程度予測可能な効果が得られることも、レーザー治療の魅力の一つです。
一方で、製剤を注射する治療法はまだここ数年のものですから、レーザーと比べれば効果や安全性について実績は少ないと言えます。
実績を重視する理由については、下記もご確認ください。
レーザー治療と注射における見解
上記でも解説したように、レーザー治療は長年の実績があるために、治療後の経過や効果も予測しやすいです。
一方で、注射もある程度は予測できますが、レーザーに比べると多少は曖昧な位置づけになってしまいます。
それぞれに対する個人的な見解について以下で解説します。
レーザー治療の予測可能性
レーザー治療は、長年の経験から効果の予測が比較的容易です。
個人差があるとはいえ、5年程度の治療で期待できる効果や、老化の進行具合などはだいたいの予測ができます。
私自身も治療を受けているため、継続した場合としなかった場合の違いも実感として理解しています。
注射に対する懸念
注射は比較的新しい治療法で、使用歴は数年程度です。
ジュベルックやリズネ、ボライトなどは、日本での使用開始から数年が経過し、短期的な重篤な副作用は報告されていませんが、長期的な安全性については、まだ十分なデータが揃っているとは言えません。
レーザー治療と注射の大きな違い
個人的な観点でお伝えすると、注射による治療は、「異物を入れ続ける」治療といえます。
誤解がないようにお伝えすると、ほとんどの注射剤はその成分が分解されてなくなるので基本的には大丈夫と考えていますが、異物を入れる治療です。
もちろん、人体に害があるわけではありませんが、たとえばヒアルロン酸などは一定の期間が経過すると効果が失われてしまうので、入れ続けなければなりません。
一方で、レーザー治療はレーザーを打ち続けるのですが、打ったときの熱は肌に伝わりますが、何か残るわけではないです。
肌の状況によっても異なりますが、一定期間しっかりレーザーを照射すれば、肌のトラブルを改善へと導けます。
注射による治療の位置づけ
近年注目を集めている注射については、私は補助的な治療と位置づけています。
確かに、個々の患者様の肌の特性に応じた調整が可能という利点はあります。
ただし、注射だけで改善されるか?と言われれば、それだけでは難しいケースも多々あるのです。
ですから、注射による治療は、レーザー治療との組み合わせで相乗効果を狙うと考えた方が良いかもしれません。
レーザー治療と注射に関する当院の考え方
私個人としては、レーザー治療で対応していきたい想いがあります。
ただし、美容医療に携わる医師として、患者様の多様なニーズに応えるため、様々な選択肢を用意しておく必要性も感じています。
そのため、以下のような場合には製剤注射も選択肢として提案しています。
- 流行りの治療を試してみたい
- レーザー治療以上の効果を求めている
- 個別の肌の悩みに対応したい
ただし、無理にセット治療を勧めることはありません。
それぞれの治療の特徴と限界を理解した上で、患者様の希望に沿った提案を心がけています。
当院の治療に対する姿勢について
美容医療は日々進化しており、新しい治療法や製剤が開発されています。
しかし、私たちは、流行に振り回されることなく、確かな効果と安全性を見極めながら、患者様にとって最善の治療を提供していく必要があります。
レーザー治療を基本としながら、必要に応じて新しい治療法も取り入れていく。そのバランスを保ちながら、患者様一人ひとりに最適な治療を提供していくことが、私たち美容皮膚科医の使命だと考えています。