日本と海外の酒さ治療外用薬の違い|名古屋市で酒さに悩まれている方へ
酒さとは、顔が赤くなる状態が続く症状を指します。
赤くなる部位は個人差があり、一部分が赤くなるケースや顔全体が赤くなるケースまで様々です。
これらの酒さの症状に対して、外用薬が処方されることがあります。
今回は、この酒さの外用薬についてまとめていきます。
なお、酒さについては過去にも解説していますので、そちらもご確認ください。
酒さの赤みは正しくケアしましょう【皮膚科医が酒さの治療を説明】
酒さの根本治療はできない
前提としてお伝えしておきたいことが、酒さには根本的な治療法がないという点です。
なぜなら、酒さの原因は未だ解明されてないのです。
様々な要因が影響していると考えられており、症状を抑えて改善していく方法しかありません。
酒さ外用薬の日本と海外の違い
日本と海外では、酒さ治療で推奨される外用薬が異なります。
それぞれの違いについて、以下で詳しく見ていきます。
海外で推奨されている酒さの外用薬
海外では、以下の3つが主な選択肢として推奨されています。
- アゼライン酸
- イベルメクチン外用
- メトロニダゾール外用
日本で推奨されている酒さの外用薬
日本においては、「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」において、酒さの外用薬について触れられています。
推奨度はA~Dに分かれており、それぞれの分類は以下のようになっています。
- A:行うよう強く推奨する(少なくとも 1 つの有効性 を示すレベル I もしくは良質のレベル II のエビデ ンスがある)
- A*:行うよう推奨する(A に相当する有効性のエビデ ンスがあるが,副作用などを考慮すると推奨度が 劣る)
- B: 行うよう推奨する(少なくとも 1 つ以上の有効性 を示す質の劣るレベル II か良質のレベル III ある いは非常に良質の IV のエビデンスがある)
- C1:選択肢の一つとして推奨する(質の劣る III~IV, 良質な複数の V,あるいは委員会が認める VI のエビデンスがある)
- C2:十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない(有効のエビデンスがない,あるいは無効であるエビデンスがある)
- D: 行わないよう推奨する(無効あるいは有害である ことを示す良質のエビデンスがある)
上記を前提として、外用薬としてどのようなものが推奨されているかを見て活きましょう。
外用薬 | 推奨度 |
---|---|
メトロニダゾール(ロゼックス®ゲル) | A |
アゼライン酸 | C1 |
イオウカンフルローション・その他 | C2 |
このように、日本ではメトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)以外は推奨されていません。
酒さの外用薬としてメトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)で十分とは言えない
日本では、ガイドラインにのっとり、酒さの外用薬としてメトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)が処方されることが一般的です。
酒さの外用薬の中でも保険適用であることから、患者さんの費用負担も少ないです。
しかし、メトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)で十分に治療が行えるか?というと疑問が残ります。
実際に、ある研究でアゼライン酸とメトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)の有効性を評価した結果、医師評価結果はアゼライン酸のほうが効果的であると示唆されています。
また、海外においてアゼライン酸は数十年以上も使用されているため、安全性も問題ないといえます。
アゼライン酸については、以下の記事もぜひご確認ください。
名古屋市で酒さの赤みが気になる場合は自費診療も検討してください
酒さの赤みが気になり、メトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)だけで改善しない場合は、自費診療の塗り薬も検討してみてください。
メトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)では十分に改善しないケースがあります。
当院においては、メトロニダゾール(ロゼックス®ゲル)の他、アゼライン酸やイベルメクチンクリームの処方も行っております。
赤みの症状を確認したうえで処方いたしますので、ぜひご相談ください。
また、症状にあわせて外用薬以外にも、飲み薬・レーザー治療の提案も行います。
具体的にはカウンセリングしてみなければわからない部分もありますので、一度お近くのクリニックへお越しください。